古代ハイウェイ
律令時代、天智、天武天皇により整備された古代の街道は驚くべきもので、なんとその道路幅は15mもあり、これから900年後、家康が整備した街道をはるかに凌ぐ道路幅を誇っていました。その路肩には水路も作られ、道路面も三和土で固められ、その水はけ等も考えられていました。この街道の最優先すべきものは各地に置かれた国府を最短距離で結ぶ事で、その結果、街道は驚く程の直線道路になりました。静岡でも1993年、グランシップ工事前の発掘でこの街道の遺稿が出土しましたが、その方位角で貫く街道は、今の安倍川駅辺りから興津清見寺までを一直線で結ぶ道路だったようです。この位置なら、八幡山、八津山、有度山などに掛からずに2点間を完全な直線で結べたようです。さらに驚くのはこ全国に張り巡らされたこの古代ハイウェイとも言える街道の総距離は日本の高速道路の初期の計画であった6千数百キロと同じ距離で、またそのコースもかなり似ているようです。

関宿

暮れも押し迫った12月17日、今年最後の「あんどん倶楽部」で出かけたのは三重県の関宿です。関宿は数年前東海道を歩いた時以来、都合4度目の再々再訪になりました。観光ガイドさんをお願いしているので、待ち合わせの時間まで道の駅で時間を調整。待ち合わせの場所に行ってみたらガイドさんが二人います。どうやら今日は2組に分かれての関宿散策となるようです。
関宿を貫く街道は家康が伝馬制を制定する、遙か昔の飛鳥、奈良の律令時代から開けていた歴史ある官道です。飛鳥時代には壬申の乱の際、大海人皇子は吉野から関に抜けています。また、この時代に各地に置かれた国府を最短距離で結ぶ為の道路も整備され、関宿においてもこの街道が宿を貫いていました。この街道は江戸期に整備され今は観光地化されている街道の北側を走っていたようです。

古代街道についてはこちら

関宿は東海道47番目の宿場町で、東追分(木崎)から西追分(新所)まで、約1.8kmの範囲が関宿となっていて、西の追分で大和街道が、東の追分で伊勢別街道がそれぞれ分岐し交通の要所となっていました。関の名の由来も、古代三関(美濃「不破関」と越前「愛発関」)の一つ「鈴鹿関」が置かれていた事によるものです。宿内にある地蔵院は関の地蔵さんと呼ばれ、天平13年(741)、奈良東大寺の僧行基が、諸国に流行した天然痘から人々を救うため、この関の地に地蔵菩薩を安置した事がその始まりと伝えられています。
関宿の特産はなんと「火縄」。火縄は鉄砲に使うだけでなく、道中の旅人が煙草などに使うためにも購入しました。最盛期には数十軒の火縄屋があったといいます。 明治に入るまでは賑わいをみせていた関宿でしたが、明治に入り東海道線が東海道筋を通らず、三河から美濃に抜けてしまった為に、急激にその賑わいも失われていきました。この後、明治23年に現在の関西本線が関宿を通過するようになりましたが、これが関に大打撃を与えました。それまでの町の産業の中心であった往来稼ぎの商売が成り立たなくなり、またその後は、国道1号線が旧街道からはずれた所を通ったこともあり、かつての賑わいは消えてしまいました。
   関宿や 旅情豊かに 山眠る   一秀
関宿の夏祭りも良く知られており、狭い関宿を最盛期には16基もの山車がねり、これが「関の山」の語源になったと伝えられます。 しかし、12月のオフシーズンだからなのか、いやに静かな関宿だったのが気になります。東海道で歩いた妻籠宿も以前のような賑わいが消えていたように、関宿でも同じような感じを受けました。
道の駅「関宿」 関宿
関宿 関宿
関宿 関地蔵院
銀行 平氏の家紋「揚羽蝶」の鬼瓦

専修寺

関宿を後にし、津市、一身田にある専修寺を訪ねました。専修寺は 浄土真宗高田派本山で、寺内町、一身田の中に建っている壮大な伽藍を持つ寺。この地内町は周りを環濠で固めており、500年前に作られた町にも関わらず、今でもその環濠が町を取り巻いています。一身田の環濠は、寺内町の周囲を巡る環濠としては、日本で唯一ほぼ完全な形で残る貴重なもので、東西約500m、南北約450mの中に地内町が形成されています。この中で一際目を引くのが今回訪れた専修寺の伽藍で、国の重要文化財に指定されている「御影堂」や、同じく重要文化財で、阿弥陀如来立像を本尊とする唐風の「如来堂」また境内入口の山門、唐門など、迫力ある壮大な建物が並びます。中でも一番大きな建物は御影堂。須弥壇中央には宗祖親鸞の木像が安置され、堂内には畳七百二十五枚が敷かれており、全国の現存木造建築の中でも五番目の巨大な堂となっています。
御影堂の左に建つ如来堂は御影堂より小さな建物ですが、こちらが本堂で、須弥壇中央には本尊である阿弥陀如来立像が安置されています。 真宗のお寺はどこも須弥壇は金ピカのところが多く、なんとも派手々しい堂内です。
専修寺 唐門 専修寺 御影堂
山門 釘貫門

ナバナの里

今日はナバナの里のイルミネーションを見て帰る計画なのですが、何とも寒そうです。海の近くですから風が吹かないよう祈るばかり。
最近では各地に同じような所がありますが、やはりその規模からするとここが一番なのでしょう。早めに中に入って、取りあえずは園内のレストランで腹ごしらえです。ついでに寒さ対策のアルコールも少し入れて、夜の寒さに備えました。ここの入村料は2,300円。しかし、このうちの1,000円は金券で、村内何処でも使えるようになっていますから、入村料は実質1,300円という事になるようですが、このシステム、旨く考えたものです。
イルミネーションと言えば、冬だけのものかと思っていたら、ここでは連休明けまで続けているようです。
さっきの寒さ対策が効いたのかさほどの寒さを感じなくて済んだのは幸いでした。
でも、早く家に帰りたいです!
光のトンネル 光のトンネル2
アイランド富士 紅葉ライトアップ

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