白馬三山・唐松岳
2002年7月28日〜30日

今年は、以前から登ってみたいと思いながら「白馬ならいつでも登れる」と思いのびのびになってしまっていた白馬岳です。どうせそこまで行くなら唐松岳まで縦走してしまおうと出かけました。でも、途中には「不帰の剣」と呼ばれているコワーイ所もあるのです。「不帰の剣」の写真などもあまり無くそれでもまぁ、手を離さなければ落ちる事もないでしょう。

7月28日(第1日目) 猿倉〜白馬山荘


白馬尻から白馬岳を望む


白馬の大雪渓

楽しみにしていた白馬の大雪渓。日本3大雪渓の一つ。長さは1500m程になる。写真では傾斜も無さそうだが、実際にはかなりの傾斜角。

 白馬村の村営駐車場へ朝2時に到着。車の中で5時頃まで寝て、起きてみると天気はよさそうだ。猿倉の登山口までタクシーで入り、ここからがいよいよ登山の始まり。
 白馬尻の小屋まではしばらくはだらだらの林道歩きが続き、白馬尻小屋の直後から大雪渓が始まる。手前の岩場でアイゼンを付け、シャツを一枚増やし、さて、いよいよ本格的な登りだ。

 白馬の大雪渓は以前登った針ノ木岳の雪渓より傾斜はゆるい、と聞いていたのだが、これが大間違い。最初のうちは緩かった傾斜がだんだん急になり傾斜角が一番大きい辺りでは人が繋がってしまっていた。雪渓上には岩がゴロゴロしていて、かなり落石も多いようだ。聞いたところでは数日前にも落石に当たって一人亡くなっていると云う。雪渓の上では音も起てないために気が付くのが遅れ事故が起きるという。休憩も立って休み、常に前を見ているようにとの注意があった。
 のんびり、ゆっくり雪渓を登るといった雰囲気のものでは無さそうだ。

 登りはキツイがそれでも涼しい為にあまり汗を掻くこともなく、雪渓を通過。雪渓の切れた辺りからお花畑が始まる。
 雪渓の終了した地点では大勢の人が休んでいる。周りには花が咲いて今までの苦労も消える、と云いたいところだが実際はバテバテ。
 白馬岳をいささかなめていたようだと深く反省。やはり簡単に登れる山などないようだ。


葱平付近のお花畑


お花畑のむこうに杓子岳

 雪渓を登り詰めるとその辺りからお花畑が始まる。今年は例年より残雪は多いらしい。途中の避難小屋前の平地で昼食をとり、山頂を目指すが、足が重い。
 毎度の事だが、初日は睡眠不足のため体が重いのだ。それでも周りの花のおかげで疲れも多少は忘れられる。白馬は高山植物の種類が400種にも及ぶという日本でも有数の花の名山なのだ。
 標高もだいぶ上がってきてチョット無理をするだけで息が切れてします。こんなところでも自分の歳を感じてしまう。最初に登った北岳の頃はこんなでは無かったのにと体重の増えた自分の体を恨めしく思いながらとりあえずは稜線にある白馬村営の頂上宿舎を目指す。上の方に見えているのだが、傾斜がきつくなかなかたどり着けない。
右に白馬岳、左に杓子岳を見ながら一歩一歩進む。この時間帯になると気温も上がってきておりガスっぽくなってきた。頂上宿舎前の急登をやっと登り詰め稜線に出る。ここから今日の宿舎白馬山荘まではほんの僅か。

白馬山荘手前で


白馬岳山頂 2932m

 山頂直下にある白馬山荘前の最後の登り。傾斜はあまりないところだが、バテバテの体には急に感じる。白馬山荘は日本最大、1500人の収容人員を誇る山小屋。洒落たレストラン(スカイプラザ白馬)もあり生ビールあり、ケーキありでこれが山小屋?と思うほどに立派な山荘。
 レストラン内からは剣岳、立山連峰が真っ正面に見え、下界では見れない景色を見ながらの食事が出来る。まずは「カンパーイ!」でジョッキで2杯。睡眠不足で疲れた体にはビールがけっこう効く。
 

ほろ酔い気分で身軽になって山頂を目指す。白馬山荘からは十数分で山頂に着く。
 天気も良く、ここからの景色は最高。明日登る杓子岳、白馬鑓ガ岳、旭岳、その遙か向こうに立山、剣、毛勝とそうそうたる山が雲海の上に峰を突き出している。立山の向こうには黒部湖も一部見えている。
 そしてようやく白馬岳山頂。標高2932m
 山頂標識の横に立つと「ヤッター!」って気分。
 それにしても天気がいい。いつもながら天気にはついている。山登りを始めて数年経つが雨で途中で断念したのは奥穂高岳1つだけなのだ。その時でさえ朝の涸沢は最高の景色を堪能できた。自分は普段の行いがよほどいいようだ?。

2日目へ  3日目へ  山のトップページへ