正月の間、初詣には出掛けてなかったので、今年は豪勢に7カ所の初詣です。調べてみると県内だけでもいろいろな七福神セットがあるものです。この中から遠からず、近からずの「遠州七福神」を回ってみる事にしました。これは御前崎市をスタートに右回りで浅羽町、磐田市、森町、掛川市までのコースです。

アクセスマップ
高速を相良ICまで行き、そこから相良町に出ました。150号線を御前崎市まで進み最初の増船寺からスタート。車にナビは付いていませんから地図を見ながらの探索です。でも、これがどのお寺もなかなか見つかりません。ようやく辿り付いた時はなかなかの感激物です。
家を出たのが昼近くになってしまったので、最後の永江院は日も落ちて時間ぎりぎり。それでも何とか約半日で回りきり今年の初詣も無事終了。

□ 増船寺
毘沙門尊天(静岡県御前崎市白羽)
毘沙門天は四天王の一人、多聞天の別名。吉祥天は妃。もともとはインド古代神話の神でヒンズー教ではクベーラと言う財宝の神。
功徳は仏教守護、開運出世、財宝金銭授与・商売繁盛・智慧明瞭

最初に訪れた増船寺。ここは探すのに一苦労。ようやく辿りつき、御朱印をお願いしながら本堂内の毘沙門天にご対面。これ以後のどの寺でもそうだったが、毘沙門天が本尊と言うわけではなく、本堂中央には本尊を祀り、その脇に毘沙門天が祀られている。ここの住職に七福神についてのうんちくを聞き、予備知識はバッチリ。
(御朱印)
  

□ 官長寺
恵比寿尊天 (御前崎市佐倉)
諸説あるが、元々は大国主命の長男説、蛭子命という異人説。恵比寿という言葉自体が異邦人という意味らしく、海の遠く彼方から幸福がくるという信仰と関係があるらしい。七福神の中でただ一人の国産。
功徳は金運良好(こつこつ稼げる)  商売繁盛。

増船寺の近く、同じ御前崎市内になる。浜岡原発の北あたりのようだ。本堂内には七福神グッズが並べられており、なかなかの商売熱心。まぁ、恵比寿さんは金運や商売繁盛なのだからうなずける。寺自体まだ新品状態のようで聞いてみたらまだ築2年程とか。本堂内に釈迦の涅槃の地、クシナガラで捕ってきたという沙羅双樹の葉が展示してあった。この横に「祇園精舎」の鐘の写真があったが、何と漢字で「祇園精舎の鐘」と書かれていた。インドにも日本人観光客が多いようだ。(注1)
(御朱印)
  

□ 松秀寺
弁財尊天 (磐田郡浅羽町富里)
もともとはインド古代神話の三大女神の一つ。ヒンズー教の水神、サラスバーティが仏教に取り入れられ、弁財天になったらしい。梵天又は帝釈天の妃。今では七福神の中で女性はこの弁天さん一人になってしまったが、昔は福禄寿ではなく吉祥天も入っていた。
功徳は文芸守護、智慧と才能授与、財宝金銭授与

ここも探すのに苦労した。入り口を通りすぎてしまったようだ。地図で見ると太田川のすぐ東側のようだ。この寺も立派な建物。まだ真新しい。境内には大きな池があり、この池には一面蓮が群生している。いまは冬で枯れてしまっているが、シーズンには蓮の花を見る観光客で賑わうとの事。蓮の花の時期にもう一度来てみたい。
(御朱印)
   

□ 福王寺
福禄寿尊天 (磐田市城之崎)
福禄寿は福(子孫繁栄)、禄(財産)、寿(健康長寿)の三徳が揃ってこそ人は幸せという古代中国におきた道教から来ている福の神。南極星の化身とされる。南極星とは、南半球にある竜骨座のカノープスといわれており、中国から滅多に肉眼で見られないめでたい星とされる。
功徳は子孫繁栄、富貴繁栄、健康長寿

田舎に多いこの七福神の寺だが、この福王寺は磐田市役所の近くという事で今回回った中では一番都会?にある。この寺の歴史は古く創建は千年も昔。その当時遠州一帯が大暴風にみまわれ、これを京都から来た安倍晴明の祈祷により暴風が鎮められたという。境内には安倍晴明が祈祷したといわれる場所がある。(ほんまかいな?)それにしてもここまでのお寺はどこも立派です。やはり七福神効果でしょうか?
(御朱印)
  

□ 法雲寺
大黒尊天 (磐田市向笠西)
インドの神様、全てのものを破壊し、また救うシバ神の化身。梵語でマカカラ(大きな黒いものの意味)といい神力強大。インドでは男根の形で祀られるといいます。日本の大黒さんは頭巾を被っていますが、この頭巾、何かに似ていませんか。やはり日本に伝わってからもインドの祀り方をある程度受け継いでいるわけです。
功徳は金運良好 資産増加 厨房守護(食べ物に恵まれる)子孫繁栄等

この寺は今までのものと違いこじんまりとしています。道路に標識さえ出ていませんでした。トンボで有名な桶が谷沼の近くになります。境内には数千本のアジサイが植えられ「磐田あじさい大黒てら」として親しまれているとの事。
さて、残りはあと2カ所。森町とまた南に下がって掛川ですから随分と離れています。ここからはスピードアップ!!
(御朱印)
   

□ 極楽寺
寿老尊天 (周智郡森町一宮)
中国、宋の元祐(1086〜1093)年中の人。老子の化身とも言われる。福禄寿と混同されやすいが、同じ神であるとも言われる。また老子の化身とも言われるようだ。
功徳は長寿延命、富貴繁栄、身体健全

磐田から駆け足で森町へ。カミさんのナビではどうも頼りない。ところが到着してみるとうちのカミさん「来た事ある!」という。ここもアジサイで有名らしく、そんな時期に以前来たらしい。駐車場には大型バスが。本堂は人で一杯。堂内には甚五郎作の唐獅子、聖徳太子作の子育地蔵尊などがある。「日本三大霊場」のひとつとして知られるお寺らしい。残念ながら堂内は撮影禁止。時間もないので早々に出発。
(御朱印)
  

□ 永江院
布袋尊天 (掛川市下垂木)
中国の後梁時代(906?921)の禅僧で、明州奉化の人。名を契此(かいし)という。袋の中には人々から喜捨されたものが入っているという説と大黒様の福袋と違って気の長い寛容の精神、堪忍袋だという説がある。
功徳は金運招福、人格円満、指導者の才能・智慧明瞭

駆け足で回ってきた七福神もようやく7人目の神さん。もう日も陰り薄暗くなってきています。この寺は立派です。駐車場だけでも何台の車が留まれる事か。ここで極楽寺であった団体さんに会いました。どうもこの近くのお年寄りがこの寺に集まって出掛けたようです。本堂内には山岡鉄舟の書による襖8枚があります。
(御朱印)

今回、1日で7箇所のお寺を回りました。さすがに半日で7箇所となるとけっこう忙しいものです。でも地図を片手に探しながらのお寺周りもなかなかいいものです。県内にはまだまだいろいろな七福神のコースがあるようですからまた別のコースでトライしてみようと思います。どのお寺も正月の忙しい時期は終わったので、住職も丁寧な説明をしてくれました。しかしこの話を聞く為に時間をとられ進み方はスローダウン。また、七福神グッズもいい加減にしないとえらい出費になってしまいます。
今回の御利益は
金運招福、人格円満、指導者の才能・智慧明瞭・長寿延命、富貴繁栄、身体健全・金運良好 資産増加 厨房守護(食べ物に恵まれる)子孫繁栄・子孫繁栄、富貴繁栄、健康長寿・文芸守護、智慧と才能授与、財宝金銭授与・金運良好(こつこつ稼げる)  商売繁盛・仏教守護、開運出世、財宝金銭授与・商売繁盛・智慧明瞭。これだけ揃えばオールマイティーです。特に金銭面では苦労しそうもありませんが.....。

(注1)後で分かった事ですが、この「祇園精舎の鐘」は日本からの寄贈品の為に漢字で書かれているとの事でした。

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