幻の毒荏を求めて
2003.3.9 (Sun)

江戸時代から明治初期まで広瀬の経済を支えてきた毒荏(どくえ)(アブラギリ)の木立もかつては40ヘクタール以上もあったと言われていますが、現在では一本も見る事は出来ません。以前より本物の毒荏を見てみたいと思っていたところ、焼津市の花沢という所に、市の天然記念物に指定されている毒荏の木があると聞き、出掛けてみました。
 毒荏の実からは油が取れ、昔は行灯の燃料などに使われていました。また現在でもこの木から造られた炭は漆器の研磨剤としてなくてはならない物で、地域によっては改めてその植裁が奨励されています。その他にもこの炭から安価な墨汁なども造られているようです。

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150号バイパスのトンネルを抜け右折すると花沢はすぐ。景色のよい山(名前は忘れた)の登山口になっているようで駐車場も用意されていた。駐車場脇の畑は菜の花が満開。市に指定された天然記念物だからすぐに見つかるだろうと思ったらこれが全然分からない。地元のおじいさんに聞いてみても「そんなもん知らん」と言う。お寺に行って住職に聞けば分かるだろうと思い聞いてみると「あることは知ってるが場所は分からない」と言う。それでも、木が生えている土地の地主さんのお宅を教えてもらい行ってみると留守。
コリャダメだ!と毒荏は諦めて焼津港が見えるという展望台まで行ってみる事にした。農道を登っていくとミカンの剪定をしている地元の人が居た。ここでダメモトと思い聞いてみるとようやく場所が判明。なんと集落内にあるのではなく集落の裏山のほぼ山頂付近なのだと言う。(一番下の写真)
場所だけは分かったが、車を降りてからの登山道が今は通れるかどうかと言われた。標高差は150m程ある。ツルを切りながらでは大変そうだが、少しは市の方でも管理している事を願って、改めて洒落倶楽部のメンバーと来ようと思う。花の咲く時期(5月)なら双眼鏡で確認しながら行けば見つかるのでは?
太さも結構ある大きな木らしい。
この花沢の集落は昔の面影を残した今時珍しいような所。黒に塗られた羽目の家が多く、それも立派な家ばかり。重要文化財に指定されている水車小屋もあり、よく整備されている。
登山帰りのハイカーがかなりの数いたが、見晴らしの割に簡単に登れる山らしい。その登山も兼ねての毒荏探しの一日も楽しいかもしれない。

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