平成13年3月から9月に掛けて製作した広瀬の立体模型の製作記です。以前から作ってみたいと思っていた物ですが、資料となる大きな地図が手に入らなく、思いだけで止まってしまっていました。今回、市の都市計画課に2500分の1の地図があると聞きこれを元に製作に取りかかりました。以下は洒落倶楽部の部員二人で半年間に及んだ広瀬立体模型の製作記です。
その1 土台作り

地図の準備
市の都市計画課から購入した2500分の1の地図をコピーセンターに持ち込み、必要部分だけをA0一杯に伸ばして貰う。後の作業がし易いように等高線を100m毎に色分けしておく。
この地図が全ての出発点。コピーしたときの周りの余白が少し出たため実際の大きさは84cm×112cm になり計算してみると実際の縮尺は水平方向で1350分の1になった。垂直方向は少し誇張気味に1000分の1にする。

スチロールカット・積み重ね
地図の10mピッチの等高線毎にスチロールを切り抜いていく。地図とスチロールの間にカーボン紙を挟み等高線を写し、電熱カッターで切り抜く。スチロールは硬質の物を使い強度を持たせた。1枚が10mmの厚さであるから垂直方向の縮尺は1000分の1になる。 切り抜いたスチロールを積み重ねて貼り合わせていく。積み重ねる毎に広瀬のイメージが出来上がって来るのは楽しい作業だ。最低標高20m最高標高300m程だから約30枚の積み重ねになる。ここまでは簡単な作業。

紙粘土貼り付け
スチロールを重ねた状態では段々になっているので、これを紙粘土で埋め、滑らかな斜面にする。紙粘土は乾燥するとヒケが出てしまい、乾いた状態で同じ事を繰り返し、出来るだけ滑らかな曲線にする。簡単なようで結構難しい。
それに紙粘土はスチロールにうまく貼り付かないのだ。

紙粘土貼り付け完了
粘土の貼り付けが完了し、サフェーサを吹いた状態。広瀬のおおよその地形のイメージは出来上がっている。手前が南、奥が北。こうしてみると広瀬の南北の標高差も結構あることが分かる。一番手前の谷の底で標高20m東側の山の山頂で約310m。縦方向は実際より約35%増しの傾斜になっているがイメージ的にはこれくらいが普段見ている広瀬の山の感じが出る。この垂直方向への誇張率を比高と云うらしい。この模型では比高1.35となる。

農道を削る
大体の形が出来上がり表面にサフェーサも吹いたところで位置の確認をしながら山の斜面に農道を削って作っていく。ルータを使い作業するわけだが、これがなかなか難しい作業。特に180度ターンする部分の削りは至難の技。
ルータの作業になれた頃には終わってしまった。毎晩作業が終わると真っ白。鼻毛まで白くなってしまう。

パテ埋め、サフェーサ吹き、研き
農道が削り終えたところで、ここからの作業は同じ事の繰り返し。サフェーサを吹く、デコボコをパテで埋める、パテが乾いたところで耐水ペーパーで研ぎまたサフェーサを吹く。この作業を20回ほど繰り返すと表面の細かいデコボコは殆ど消えた。
この作業に約1ヶ月。いささかウンザリもしてきたので、これで良しとする。ここまでの作業で橋も付けてあり、かなり実際のイメージに近づいてきている。
最初の計画では中電の変電所は予定に入っていなかったが、やはり、現在の状態を作りたいと思い、途中で造成?を始め実際の工事では数年かかった造成工事を3時間で終了。

これで第一段階の土台作りは終了。これからは着色、木の植裁。最終的には家の配置など、細かい作業になる。


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