100寺巡礼 第7回目  京都・醍醐

100寺巡礼第7回目は4月以来 4回目の関西方面。今回は京都醍醐周辺の勧修寺・上醍醐寺・法界寺の3寺と少なかったものの、上醍醐までの山登りもある苦行並の100寺巡りとなりました。

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第一回目の飛騨に出かけた時はまだ白山が雪で真っ白だった。その後は新緑の大原、夏の気配も感じた甲斐、暑さにメゲた奈良、そして雨の中の近江、夏の暑さも緩んできた先月の京浜。そして年度の後半戦に入り、今回は秋の気配を感じる京都。季節の移り変わりは早い。

勧修寺


東名、伊勢湾岸、東名阪、新名神、名神と高速道路を乗り継ぎ、ようやく京都山科の勧修寺に到着。
ここ勧修寺は真言宗山階派の大本山で醍醐天皇の勅願で建てられた寺。900年(昌泰3)天皇の生母藤原胤子追善のため創建され、開基は承俊律師となっている。1470年(文明2)兵火で焼失したが、徳川氏と皇室の援助で復興され、代々法親王が入寺し門跡寺院として格式を誇ってきた。宸殿、書院(重文)は明正天皇の旧御殿を移築。国宝刺繍釈迦如来説法図(奈良国立博物館蔵)は勧修寺繍帳とも呼び、当寺に伝わったもの。庭園は、氷室(ひむろ)の池を中心とする池泉回遊式。書院前庭には水戸光圀寄進と伝える石灯籠があり、勧修寺型灯籠として知られる。


氷室の池

境内に広がる庭は勧修寺氷池園という池泉庭園で、中心を占める池は氷室の池といい蓮で知られている。平安時代には1月2日にここに張った氷を宮中に献上してその厚さによって五穀豊穣を占ったと言われている。夕刻になると琵琶湖方面に出かけていた鳥が帰ってきて池は賑やかになるらしい。

上醍醐寺

写真↑ 開山堂
今回一番楽しみにしていたのは昨年来ては見たものの上醍醐までは登らずに済ませてしまっていた西国巡礼の十一番札所となっている上醍醐へ登る事だった。
というのも十一番札所となっている上醍醐准胝堂は平成20年に落雷による火災で焼失し、そのため現在は下醍醐の観音堂で御朱印を貰う事が出来てしまう。こうした事から完全な満願とはなっていなかったのだ。しかし、今回の上醍醐参拝で西国三十三カ所巡礼もようやく完結出来た気がする。
12:00ジャスト駐車場を出発する。バスに戻ってくるまでのタイムリミットは3時間。片道約4Kmあるから時間がギリギリになりそうだ。予定では登り1時間となっていたが、まぁ無理だろうと思いながらもスタート。御朱印は昨年と同じく下醍醐の観音堂で貰い、いよいよ上醍醐へむけての登山開始。最初は傾斜も緩く楽ちんペースだ。しかし、途中からは急な階段状になりここでは休憩を取りながらゆっくり登る。予定よりかなり時間を食っているが仕方ないだろう。
スタートから1時間30分で峠に到着。ここからは少し下りになり、途中からは山頂付近に建っている目的地の開山堂が見えた。ここまで来たのだからと、頑張って登り、1時50分にようやく開山堂に辿り着いた。

右最上段へ 


参道の急登

醍醐の霊水

山頂に近い場所にある開山堂の標高は450mほど。ここからは大阪の高層ビルまで見る事が出来るというが、この日は霞んでいて生駒山が限度だった。それにしても脱落者もなく、よくここまで来たものだと感心する。皆さん元気だ。
さて、3時までにはバスに戻らなくてはならないからそうそうゆっくりもしていられない。2:00前に下山開始。五大堂や醍醐の霊水を経由して3:00PMジャスト、ギリギリの時間でバスに到着することが出来た。

西国三十三カ所札所十一番札所、上醍醐准胝堂の御詠歌
「逆縁ももらさで救う願なれば准胝堂はたのもしきかな」

法界寺(日野薬師)

法界寺は高校の修学旅行で一度だけ来た事がある。それも自分たちの班はこの法界寺担当だったのでかなり細かな部分まで調べた筈だが、流石に40年以上も前の事となると記憶に残っていない。
法界寺阿弥陀堂は,浄土に憧れた日野氏が建てたものであるが,親鸞はこの一族の出身であり,この地で生まれている。 幼少の頃,親鸞は,この地から都での無益な戦乱,兵火を見ていたのかも知れない。そして,その光景は,親鸞の成長やその後の生き方に大きな影響を与えたものと思われる。
蓮の生い茂る池を過ぎ境内に入ると国宝指定されている檜皮葺の重量感あふれる阿弥陀堂が正面に建てられている。
堂内に入ると定朝作と伝えられる丈六の国宝・阿弥陀如来像が安置されている。この阿弥陀堂の中の雰囲気といい、阿弥陀如来坐像といい、説明にあったように宇治・平等院の雰囲気にそっくりの定長様式である。
平等院では阿弥陀像を取り囲む壁には彫刻された幾つかの飛天が舞っているが、ここ法界寺の阿弥陀仏の周りには彫刻されたものではなく漆喰に直接描かれた飛天が舞っている。
堂内の柱や、天井絵などを見ているとそれらが背負ってきた歴史の重量感に圧倒される。これは近代の巨大な寺では感じる事の出来ない異質の重量感なのだ。

阿弥陀堂(国宝)

さて、今回の100寺巡礼もここで最後になり、ここから清水に帰るだけだが、今回はこの道中がやたらと遠く感じた。毎日のウォーキングの中で少しばかりのジョギングも入れて足腰を鍛えたのが良かったのか疲れは感じずに山登りは出来たのだが。でも、最近何故か気力が落ち込んでいる。

            

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