あんどん倶楽部
    運慶展

今回のあんどん倶楽部は東京国立博物館で開催されている「運慶展」に出掛けました。これ以後、これだけの運慶仏を集めた展示会は開かれる事は無いだろうといわれています。

牛久大仏 茨城県の牛久にある世界最大のブロンズ像となっている牛久大仏で、全高は蓮台も含めると120mにもなります。

東京国立博物館 東博には幾つもの館がありますが、今回運慶展の開かれているのは平成館。(写真は違います)

牛久阿弥陀大仏

牛久大仏は阿弥陀如来をモデルにして作られた大仏でその高さは阿弥陀如来の十二の光明に因んで120mになっていて、ブロンズ像としては世界最大。ギネスにも登録されている巨大仏です。

清瀧寺

運慶展は夕方入る事にして坂東観音霊場の二十六番札所である「清瀧寺」に廻ってみました。想像していた以上に小さなお寺でチョットがっかり。それでも仁王門は立派で中に安置された仁王像も迫力有りました。

大御堂

筑波山の登山口に建つ大御堂は坂東観音霊場の二十五番札所。残念な事に現在建て替え中で、簡易プレハブの中に本尊が仮安置されていました。完成までにはまだ2,3年は掛かるようです。

運慶展

個人的には昨年正月、長谷川等伯の「松林図屏風」を見に来て以来の東博になります。国内で運慶作と確認されている仏像は31体あるといいますが、今回はそのうちの22体が集まり見応えのある特別展になっています。

牛久大仏

仏頭

後ろに見える本物の大仏の頭はこの仏頭の千倍の大きさなのだそうです。青銅製で総重量は東京タワーと同じ4,000t 。手のひらにあの奈良の大仏が乗ってしまうといいますからその大きさは半端ではないです。

実物大の螺髪

実物大の螺髪。直径1mで重量は200Kgあり、これが480個付いています。顔の長さは20mといいますから、奈良の大仏の14.9mよりかなり大きいです。

大仏遠景

これくらいの距離から見るのが一番大きさを感じます。ただ、この距離では頭の大きさのバランスが悪く頭でっかちになってしまいます。胸の中には展望台があり、外界を見下ろす事が出来ます。

大仏近景

真下から見上げると頭の大きさはバランスよく見えます。大きな仏像という事でかなり大雑把な造りかと思っていましたが、細部までかなり細かく丁寧に作られていたのは意外でした。総工費は教えて頂けませんでしたが、仙台の巨大観音を参考にすれば数十億円と言ったところか?

作業工程の説明展示

大仏内部は展示室などがあり、85mの所にある展望台まではエレベーターで上がる事が出来ます。これは胸の高さになりますが、この部分には細いスリットがあり、ここから外を見る事が出来るようになっています。ただ、大仏の美形を壊さないように目立たない程の狭い窓なので視界はかなり狭いです。

奉納された大仏像

ここは、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺が正式名称。中には奉納された大仏像が壁全面にビッシリと並んでいます。それにしても浄土宗といい、浄土真宗といい、大きなものが好きなんですねぇ。この大仏にしても拝観券の販売だけではとても維持できるようなものではないでしょうに。

清瀧寺(坂東26番札所)

山門

朱とは違う赤みの強い山門が緑に映えます。天保年間(1830~1844年)のものだそうで、昭和の不審火で焼失しなかった建造物はこの山門だけになっています。

仁王像

仁王門に安置される阿吽の仁王像は文化15年(西暦1818年)のもの。阿形の力士像の胎内には阿弥陀如来像がおさめられているそうです!平成10年に復元修理されています。

本堂

昭和44年、48年の2度の不審火によって山門以外の伽藍は焼失してしまいました。現在の本堂は52年に再建されたもので、耐火性のある鉄筋コンクリートで作られています。

大御堂(坂東25番札所)

大御堂

筑波山(筑波山神社)と神仏習合の時代は中禅寺といい、大きな寺領を持っていましたが、明治初年の廃仏毀釈運動により破却され没落します。その後、1930年(昭和5年)に再興されました。戦後建てられた本堂がつい最近まで有りましたが、現在は全てを取り壊し新築中でした。

仮殿

今は本殿が無いために、仮の建物の中に本尊が安置されています。完成はまだ2,3年先になりそうです。筑波山へのロープウェーはこの大御堂のすぐ上から出ているので、筑波山、男体山女体山登山のついでに立ち寄る参拝者が多いようです。

巨木?

この木野根元にガマガエルの置物がありました。筑波山の四六のガマでしょうか。何も無いので、御朱印を頂いたら即、東博に向けて出発です。雨は本降りになってしまい、東京までの運転も大変そうです。

運慶展(東京国立博物館)

東京国立博物館

雨の常磐道から首都高速に入り、ようやく上野に到着。上野駅の屋上にある駐車場に車を入れ数分歩けば17:00ジャスト、東博に到着。集合時間を18:30にして運慶仏の見学?です。流石にこれだけの展示会となるとその展示法も旨いもので、いかにも豪華に見えるな展示です。

平成館  入館

お寺で見る仏像はどうしても信仰の対象としての仏様としてみますが、博物館で展示されていると、やはり美術品として見てしまいます。運慶も仏師というより、偉大な彫刻家といったイメージになってしまいます。それくらいそれまでの仏師の仏像とは雰囲気が違います。

表慶館

いやーー、運慶展、良かったです。お客さん気分の後席では途中のコンビニで飲み物買って清水までは宴会モードになりますが、運転手さんはそうも行かず、申し訳ないと感謝しながらビール一缶、酒2合。夜10時過ぎ、清水に無事到着しました。

これまでは割と天気運は良かったあんどん倶楽部でしたが、流石に今回は台風の影響もあり、天気には勝てませんでした。やはり期待していた「運慶展」は良かったです。それにあまり期待していなかった「牛久大仏」も意外に良かった。逆に、坂東霊場の2寺は期待外れでした。坂東霊場に加えられながらも何か寂れている感じがうら寂しい25,26番の札所でした。さぞ、地元の人達もその維持管理には苦労しているのでしょう。