甲斐駒ケ岳
2967m

北岳登山の時「次はあの山に登ろう」と決めた1月半後の9月下旬、今度は甲斐駒ケ岳です。

広河原から北沢峠まで村営のバスで行き仙水峠、又は双子山経由で駒津峰まで行き

そこから駒ケ岳に登るのが一般的なルートなのですが、北側の黒戸尾根からのルートを

登ることにしました。黒戸尾根からの登山道は北沢峠まで道路が出来るまではメインルートでしたが、

今では登る人も少なく昔の駒ケ岳信仰の名残を残す登山道をゆっくりと登ることが出来ます。

しかし、このルートは登山口から山頂まで2000mの標高差を登るため日本アルプスの中でも

ハードコースの一つに数えられています。


1997年9月28日〜29日

日程

1日目
竹宇駒ガ岳神社〜笹ノ平〜5合目小屋〜七丈小屋

2日目
七丈小屋〜八合目御来仰場〜甲斐駒ガ岳〜駒津峰〜仙水峠〜北沢峠〜広河原


出発

身支度を整えてさぁ、出発です。
今回は3人の山行です。これは仲間の二人。
登り始めて最初の頃は笹の生えた樹林帯が続きます。まだ標高が低いため雨上がりの蒸し暑さが体にこたえます。下の方に日向山が見えます。


クサリ場

所々にこのようなクサリ場があります。この場所は下が一直線に落ちているコワーーイ所です。黒戸尾根にはクサリ、梯子などが多いです。以前皇太子殿下が登山された時かなり整備されたと言うことですが、梯子は腐っているようであまりあてになりません。


山岳信仰

登山道の脇には昔の駒ケ岳信仰の盛んだった頃供えた石塔や鉄の剣がところどころにあります。急な登山道をこんなに重い荷物を担いで登ってきたと言うことですが、大きなものは100Kg以上もあるような石です。


七丈小屋

12時、ようやく今日の宿「7丈小屋」に到着です。1時間ほど前から天気は雨になっていました。おかげで寒くて寒くて。小屋の中では着れるものを全部着て、それでも暖まらない為、後は熱燗に頼るしか無いです。この夜は一緒に行った仲間の独壇場でした。熱燗でかなり出来上がっていたようです。七丈小屋の思い出はただただ「寒ーーい」でした。


鳳凰三山

翌朝見えた。観音、薬師、地蔵の鳳凰三山。そのむこうには富士山が見えていました。見えている下界は甲府盆地です。韮崎あたりでしょうか? 今日は昨日と違って天気は最高です。山頂もこんな天気だといいのですが。


魔利支天

丸みを帯びた山は駒ケ岳と並んでいる魔利支天。20号線から見ると甲斐駒の左側にコブのように見える山です。このあたりは結構紅葉していました。天気は良くてもやっぱり「寒い!」


霧氷

夕べは寒かったはずです。ハイマツに霧氷が着いています。風は冷たいし、足下の岩は凍っています。まさかこの時期アイゼンは持ってきていません。気を付けないと滑ってヤバイです。でも、もう少しで頂上です。


山頂直下

ようやく山頂が見えて来ました。甲斐駒の北側斜面。ご覧のように霧氷で真っ白です。それはそれで綺麗なのですが、寒いのと足下が滑るのとでもう少しが結構大変です。ここからは20分もあれば到着です。


駒ケ岳山頂

山頂到着です。標高2967m。向こうに見える山は千丈岳です。千丈カールが真っ正面に見えます。天気はいいのですが、時々ガスがかかって視界が無くなります。千丈をバックの写真を撮るのにガスの晴れ間を、随分このポーズのまま待たされました。


北岳

山頂から見た北岳です。1月半前には向こう側からこの山を見ていました。山頂付近は雪が積もって白く見えます。今シーズン1番の冷え込みだったようです。左が北岳、右は間ノ岳で、少し右に目を向けると千丈岳がそびえています。


山頂の祠

信仰の山らしく立派な祠が安置されています。信仰の力とはいえここまでこの石材を運ぶのはどのようなものだったのでしょう?10kgチョットのリュックでバテている私には途方もない偉業に思えます。


下山

下山開始。山頂直下の南側斜面です。花崗岩の白い砂が綺麗です。北側の斜面と違い明るさがあります。ここからはただただ下るだけです。北沢峠から登ってくる登山者とのすれちがいに結構な時間待たされてしまいます。中年のおばさん達がホントに多いです。


樹氷

駒津峰付近の樹氷。木々が凍っています。紅葉と相まってほんとに綺麗でした。解像度を落としたこの画像ではチョットはっきりしませんね。


駒津峰

駒津峰まで降りて振り返って見た甲斐駒と魔利支天です。北岳から見た駒ヶ岳のあのピラミッド型の山容が撮影できる場所はなかなか見つかりません。


ここまで降りてくると山頂付近のあの寒さは嘘のようです。このあたりはまだまだ秋の始まりといった感じです。1時間程降りただけなのにこうも違うものなのですね。山頂はガスがかかって見えません。

仙水峠

駒津峰から急な登山道を一気に下ると仙水峠に着きます。ここを過ぎると甲斐駒も見えなくなってしまいます。仙水峠からの甲斐駒は絵になるらしくカメラの三脚が並んでいました。でも、ここからの甲斐駒は山頂も見えず魅力のある姿とも思えませんが。ここから仙水小屋までの登山道脇にはシャクナゲの群生が多く見られます。


北沢峠

仙水小屋から後は沢沿いにしばらく下ると北沢峠到着です。ここまで来ればもう歩かなくてもバスで広河原まで降りられます。長い道中でした。


今回の反省点

ただ一つ。寒さに対しての準備が甘かったです。これに尽きます。
まさか今シーズン一番の冷え込みが来るとは思いませんでした。
次回からは注意しましょう。


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