2004.11.9〜10

尾羽畑地帯総合開発事業の視察で埼玉県の富士見市と入間市へ行って来ました。朝6時20分に出発、まずは52号線を北上、南アルプスICから中部横断道に入り双葉JCで中央高速。ここから東に向かい八王子ICから一般道を富士見市に向かいます。静岡と違い山は見えません。一面が平野で地平線が見えそう。途中川越市で昼食をとりついでに川越の蔵の町並みを見学してきました。午後、ようやく富士見市に到着。市役所の農業振興課、土地改良区の理事長さん達に1時間ほど話を伺い現地に案内して頂きました。富士見市の南畑土地改良区は「大規模農場モデル実証事業」の対象地区として選定され行われた土地改良事業です。すでに工事は平成11年に完成しており、現在は稲作が行われていました。各農家のあちらこちらに散らばっていた田を集約し、最低でも1枚が30a〜50a。大きいものでは1枚250aといった所までありました。しかし、大規模農場と言っても地権者数も多いため1軒あたりの面積は僅かのようでした。この地帯の平均的な栽培面積を伺った所、70aほどとの事。平均反収は7俵。これを2万/俵で計算してみると....。土地は大規模だけど、収入はまったく大規模にはなっていません。ここは交通の便も良いため都内までは30分程度とか。そんな土地ですからやはり後継者がいないという事が大問題のようでした。そのために作業の受託組合が出来ており、かなり大型の機械を使って管理作業が行われているようです。田植機など一度に8条の植え付けが出来る大型のものです。機械の総額は1億数千万になるとか。しかし、作業を全て委託した場合のその委託費は10a当たり6万ほどになり、手元にはあまり残りません。立派な田圃は出来てもこれでは....。日本全国こんな物かもしれません。日本の農業も寂しいものです。



□川越市
□ 蔵のある町並

その昔は繊維(木綿)で栄えた川越でした。この蔵の並ぶ通りもその殆どはかつての繊維関係の商家だったようです。しかし、現在では川越と言えば「サツマイモ」。どこに行ってもサツマイモの菓子や生のサツマイモが売られています。段ボール1c/sで2千円チョットですが、これが安いのか高いのか自分にはわかりません。

□ 時の鐘

蔵の並ぶ通りの一角にある「時の鐘」。環境省が選んだ「残しておきたい日本の音風景100選」にも選ばれています。江戸時代から川越の町に時を知らせて来た時計台です。かつては人の手で鐘が打たれていたようでしたが、現在では機械仕掛けで朝6時、昼12時、午後3時、6時の1日4回鳴らされるとの事でした。

□ 菊花展

川越大師(喜多院)境内で菊花展が行われていたので、覗いてみました。菊の事はよく分かりませんが、さぞかし手を入れて作ってきた事だけは分かります。見事な菊でした。

□ 蕎麦屋

時の鐘の近くにあるそば屋ですが、随分と凝っていました。これだけの広告塔があればさすがに目立つようで、お客さんでいっぱい。

視察の写真は下の一枚だけです。一番大きな250aの田圃。これだけの広さがあると代かきも大変なようで、レーザーを使ってレベルを見ながら均平にするとの事でした。それも無風の時でないと水が風に押され水位は5cm程の差が出てしまうと言いますから、広ければ広いなりの苦労もあるようでした。


一日目の視察はここだけで終わり、今日の宿、群馬県の安中にある「舌切り雀のお宿」磯部温泉に向かいました。埼玉県内で宿が取れず泊まるだけの為に高速を使って安中へ。この舌切り雀のお宿はいったい何?と思ったら、舌切り雀伝説の発祥の地なのだそうです。ホテル内には雀の舌を切ったという大きな(長さ30cm程)半分腐りかけたハサミがありました。この大きさではとても雀の口の中には入りそうもありませんが...。そしてもう一つここ磯部温泉は温泉マークの発祥の地でもあるようです。この事について聞いてみましたが、はっきりは分からないようでした。


翌日は晴天の中に浮かぶ迫力ある妙義山(30年ぶりに見ました)を見ながら再び埼玉県へ。今日は入間の博物館(お茶関係)の視察?です。バブル絶頂期に計画された施設と言うだけあって、豪華な物。土地の取得費は50億、建物は38億といいますから凄いものです。実際入ってみると馬鹿げてると思うほど豪華です。玄関ホールは大理石貼りです。どう考えてもオーバースペック。今の時代ならとても建てられなかった建物でしょう。

さて、ここで視察は終わり、清水に帰ります。帰り道は来た時と同じ。ただ、大月から富士吉田に向かい、帰りは富士五湖を回り139号線を帰って来ました。五湖周辺の紅葉が見頃を向かえていました。

今回の視察に限らず、どうも農業関係の視察というと見た目は凄くても実際に内情を聞くとガッカリしてしまうような所ばかりです。日本全国探したら凄い実績を上げている地区もあるのかもしれませんが、未だにお目に掛かった事はありません。帰ってきてからいろいろ調べてみたら面白い所がありました。以前、NHKで放送されていたのを見た事があったのですが、丁度その番組を掲載したHPがありました。長野県の小川村と言う山間地の事例です。
たった二日間でしたが、疲れました。2日目は絶不調の一日でした。


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