広瀬案内地図看板製作記

その2


<<幅3700mm 高さ2100mm>>

昨年(平成14年)6月より始めた広瀬の案内地図看板の製作もその後、2003年正月に周りの枠になる丸太の切り出し、組み立てと進み、計画変更による屋根の部分の製作も夏から始め、秋の日待ちのまつりまでには何とか地区の皆さんに公開出来るようになりました。
前回以降の製作記を紹介します。

製材して貰った板を組み合わせ補強し、着色防腐材を塗って耐候性をもたせます。正月に切り出し冬の寒い時期に皮を剥いた丸太を運び込み、これに溝を掘り、この溝に地図版をはめ込み固定します。組み立てが始まったのは皮むきから数ヶ月経った夏の暑い時期。組み立ててみるとこれが思った以上に大きな物。
仮り組みの予定でしたが、ばらすと板が反ってはまらなくなりそうなのでこのまま固定して作業を進める事にします。3cm厚の板が反ってしまったらとても溝に入りそうもありません。
板に写した地図に合わせ川の部分を溝にします。トリマーを使い掘りますが、慣れていない機械では思ったように旨くは掘れませんでした。それでも川の部分に青色で着色するとそれなりに見えてきました。丁寧に橋まで作ってあります。
川の部分が出来上がれば今度は道路部分の塗装です。地区内の道路を全て書込み、ついでに数本ある沢まで書いてみました。
最初の計画では予定になかった屋根を作る事になり、屋根の部分を何で葺くかと考えた結果、みんなが集まるたびに大量に出るビールの空き缶。計算では240本必要になります。ビン・カンの収集日に貰いに行けば済む事ですが、やはりこれだけは人の手に頼りたくないと言う事で、この後はビールを飲む事が仕事になりました。製作作業中このビールを飲む事が一番きつかった?ようです。しかし、メンバーの努力?の結果、思った以上に早くこの空き缶は集まり(ただ単にみんなが飲んべえだっただけ)次は、集まった空き缶を切り開く作業です。万能バサミで同じように柄が出るように着る場所を決め、240枚のアルミ版を作ります。
この出来上がったアルミの板を1枚1枚折り曲げながら組み合わせて行きます。この組み方は家に来ていた板金屋さんに教わりました。この屋根の部分は本体とは別になっていてホゾで組合わさるようにしました。全て一体ではとても動かせそうにありません。
さて、いよいよ現場への設置。少なくても深さ80cmは欲しいところ。ところがこの設置場所の盤が堅い事!。ハンマードリルで土を解しながらの穴掘りです。直径40cm、深さ85cmの穴を2つ堀り、友人のレッカーに来て貰いようやく定位置に収まりました。穴にコンクリートを流し込み固定。
今迄は随分大きいと思っていたものも屋外に出てみるとさほどではありません。ビール缶の屋根は結構皆さんに受けます。後はこの地図上に名札を付け、全体に明るい色の着色防腐材を塗って完成です。
名札はみんなで随分と悩みましたが、板(3cm×5cm)に名前をプリントした紙を貼り、全体をエポキシ樹脂でコーティングして耐候性を持たせる事にしました。乾くとガラスのような膜になりました。こうしておけばかなり長期間劣化しないでいる筈?
丸太の合わせの隙間にコーキング材を大量に詰め、雨対策もバッチリ!!

そして、完成した状態が最上段の写真です。


1年4ヶ月に及んだ広瀬の案内地図看板もようやく完成となりました。この途中には文集の発行などの事業があったり、新聞の発行なども重なり、皆、かなり忙しい中での、それも夜の作業でしたから正直、楽なものではありませんでした。しかし、昨年の6月に切り出したただの丸太が手を加える事でこのような形に姿を変える訳ですから、その作業は苦労の中にも楽しみがあります。
文集発行も実現したし、地図看板も完成、立体模型も作ってしまって、さて、次は何をやろうか?とこれからまた皆で考えなくてはなりません。今度は何を?って考えるのは楽しいものです。

  さて、次は何をやろうかな!

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