白馬3山・唐松岳
7月29日(第2日目) 白馬山荘〜天狗山荘


杓子岳と白馬鑓ガ岳
これから向かう杓子と槍。今日の宿「天狗山荘」はこの山の向こう側。
 2日目も天気はいいのだが風が強く寒く昨日の暑さがウソのようだ。寒さにメゲ途中で1枚上着を増やした。風が強いだけに景色は最高。遠く、槍ヶ岳、穂高連峰、水晶岳、などの北アルプスの山々が一望できる。一番近くには立山連峰、剣岳がそびえ立っている。
 今年はいつもの年より残雪が多いらしくそれだけに景色も絶景。
 白馬岳と杓子岳の鞍部に降りると杓子の壁が目の前にそびえ立っている。実際には傾斜もそんなにきつくはないのだが、昨日の疲れがまだ残っている体にはウンザリする高さ。かなりペースを落として登るが足の筋肉がパンパンに張ってしまっているような重ーーい感覚。少し歩いては立ち止まらないと足が持たない。

白馬岳をバックにクルマユリ
 白馬は高山植物の宝庫と云うだけあって沢山の種類の花を見る事が出きる。槍ヶ岳のような岩だけの雑風景な山と違い周りのの花を楽しみながら歩ける。しかし、山に登るたびに花の名前を教えて貰うのだが、なかなか覚える事が出来ない。この点、山で出合うおばさん達はよく知っている。
 花の名前や山の名前は仲間内でも大きな声では話さないようにしている。あまり自信たっぷりに話しているとエライ恥をかいてしまう。
 今回も剣岳をあれは槍ヶ岳だなんて話していたらそうじゃなく剣岳だった。北側から見ると形がそっくり。でも考えてみればそんな近くのわけがなかった。でも間違えている人大勢いたようだ。

風の強い杓子岳山頂(2812m)に到着。でも寒い。休んでいたら体が冷えてしまうと、早々に下山。次の鑓ガ岳に向かう。

途中に高山植物の女王と云われるコマクサの群生があったが、群生地まで人が入り込んだ後が残っている。誰か一人でも入ると道が付いてしまい大勢の人間が入るようになってしまう。コマクサは岩の砕けた瓦礫の中で育っているからチョットでも地が動けば根は切れてしまう。直径10cm程の株に育つのにも十数年かかると云うコマクサである。もう少し考えたらいいのにと思うのだが..。以前登った北岳では北岳にしかないと云うキタダケソウが株ごと掘られていた。

 一旦鞍部まで下り、再び鑓の山頂を目指し登り出すが、足の筋肉が悲鳴をあげているようだ。今日の予定は鑓ガ岳を下った所にある天狗山荘までだから時間は余るほどあり急ぐこともないが、休んでばかりいるのもまた疲れるものだ。
 ゆっくりながらも鑓ガ岳山頂(2903m)に到着。相変わらず風は強い。後ろを振り返ると白馬岳からの縦走路が一望できる。縦走とは云え標高3000m近い高所で、重いリュックを背負っての縦走なのだから大変なのは当たり前。


白馬岳と白馬山荘

杓子岳山頂

白馬岳、旭岳、杓子岳
全て非対称山稜。信州側(右側)は切れ落ちており、稜線の反対側は緩やかになっている。特に白馬、杓子は顕著。
 山頂からのパノラマはほんの一瞬、疲れを忘れさせてくれる。みんな、この景色を見たさに大変な思いをして下から延々と歩いて来ているわけだ。やっとの思いでたどり着いた山頂なのだからゆっくりしていきたいがこんな所に長時間いたら体が冷えてしまう。写真も十分撮って下る。風の当たらない裏の斜面に出ると気温自体は結構上がっているようだ。
 鑓ガ岳を下った所に鑓温泉経由の下山道があるがここは通過。今回はあの恐ーーい「不帰の剣」を越えで唐松岳までの縦走なのだ。今までも穂高の縦走や、槍ヶ岳など、岩場の恐いところの経験が無いわけでもないが、様子が分からないだけに心配。まして今回は初日からバテバテのおじさんがいる。いつも一緒に行くメンバーも歳をとってしまって、62歳、60歳、58歳、そして自分が50歳。そろそろ中年登山隊から老人登山隊になってしまいそうだ。
 午前10時に天狗山荘に到着。アリャ、これから夜までいったい何をしていればいいのか? 少し早すぎた。今日は休息日にして午前から昼寝だ。
 夜、山荘のサービスで白馬の花のスライド上映会があった。皆疲れているのか参加者は数名だけではあったが眠い目をこすりながらも楽しい観賞になった。

白馬鑓ガ岳

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