白馬3山・唐松岳
7月30日(第3日目) 天狗山荘〜八方尾根


雲海の上の日の出。雲の下は白馬村
 第3日目も風があるものの天気はいいようだ。八方尾根のリフトの最終便に間に合わないと大変なことになるので、早々に身支度を整える。小屋の前の雪渓の雪解け水で歯を磨くが氷水。歯が浮いてしまう。顔を洗えば冷たさで目も覚める。
 しばらくは緩やかな尾根歩きが続くが、天狗の頭から一気に不帰キレットまで300m下る。一部クサリ場もあり、もの凄い急な下り道で天狗の大下りと呼ばれている。
 ここからが不帰の剣(かえらずのけん)の始まり。第1峰は横を回り込んでいるので危険は無く、少し下って小さな鞍部に立つ。ここからがこのコースのメインの険しい岩稜帯。2峰はほぼ垂直な岸壁で下から見るとどうして登るのかと思うが、とりついてみればクサリあり、ハシゴありで思ったより楽に登れる。ただ、対向者があると壁に貼りついて交差しなくてはならないし、大勢のバーティーだと待ち時間も馬鹿にならない。
 こんな所でも中年オバさん達は元気だ。恐さ知らずなのかどうか、何しろ度胸はいい。山頂直下の半畳ほどの小さなピーク越しでは一旦捕まるものが何もなくなる。この状態で体を180度ターンさせるのだが、下をみるともの凄い断崖。立って向きを変えるのにはかなり度胸がいる。そこを過ぎれば第2峰の山頂。
 覗き込むようにして今のぼってきた岩場を見ると谷に吸い込まれそうな気がする。こんな所でバランスを崩したら大変なことになる。数日前にもこの辺りで十数mの滑落事故があったらしい。

天狗の頭
この稜線の橋まで行くと天狗の大下りと呼ばれる300mの下りがある。そこからが不帰の剣と呼ばれる岩登りが始まる。五龍岳の遙か遠くに槍や穂高も見える。

不帰第2峰の登り
一番恐い2峰への登り。上を見ているぶんにはいいのだが、下を見るとさすがに恐い。恐さで疲れは忘れてしまう。
 遙か下には八方池が見える。池に写る白馬3山の写真を撮りたいが少しガスって来たようだし、間に合うかどうか?
 2峰を過ぎればあまり危険な所もなくなる。このあとは少し下り3峰への登り。3峰の山頂から白馬の方を見てみると天狗の大下りから1峰、2峰がよく見える。よく、登ってきたものだと自画自賛。
 3峰まで来れば唐松岳はもう、直ぐ目の前。とは云ってもその前に少しばかりの登りがある。
 このあたりでは4人はバラバラ。唐松岳を目指して各自自分のペースで勝手に歩いている。この順番はいつも同じで自分は2番手。

不帰第2峰
畳半畳ほどの2峰山頂直下のピーク。後ろは絶壁。ここは恐かった。写真は同行の一人。さすがに腰が引けている。

第3峰と唐松岳
ここまでくればもう少し。恐いところもなく、長い急登もなくなる。

唐松岳山頂(2696m)
 午前10時過ぎ、唐松岳山頂(2696m)に到着。早い!今回初めてガイドブックの時間を短縮。ペースを落として休む時間、回数を減らしたのが良かったようだ。昨日の休養も結構効いている。
 時間の余裕も出来、山頂ではゆっくり。
 白馬からは小さく見えていた立山や剣が目の前に見えている。南をみれば鹿島槍、五竜。遠くには槍、穂高、水晶、針ノ木、等、凄い景色だ!
 ここから少し下ったところにある唐松岳頂上山荘で昼食のラーメンとビール。ジョッキまで凍った生ビールの旨い事!。下界で食べたらあまり旨くもないラーメンと思うのだが、旨ーーい!!。久々に食べるまともな食事だった。
 ここから八方池までは約2時間の下り。酔ってしまうわけにもいかず1杯で止め、下山を始める。

 八方は白馬以上に花が多く、花を見ながらゆっくり下る。この時間帯、登ってくる人も多いが日帰り登山者が多いようだ。高校生のグループが裸で走って登ってきたのにはびっくり。やはり若いと云うのは凄いものだ。
 八方池に着いた頃には白馬もガスって結局池に写った白馬の写真は撮ることが出来なかった。残念!
 八方池からは一般の観光客が大勢いる中をリフト乗り場まで下る。午後2時リフト乗り場到着。
 事故もなくホッと一安心。

 


八方池
後ろはガスって池の逆さ白馬の写真は撮れなかった。ここはハイキングの観光客が溢れていた。

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