三倉の神社


大久保小学校跡


美林


数多く見られる廃屋


秋葉神社下社


九里橋


街道脇の石仏

塩の道 第3回目(2012.4.29〜30)

1日目


   地図クリックで詳細地図
塩の道3回目は前回から2年経とうとしていた2012年の4月末まで伸びてしまった。と、言うのもここから暫くは日帰りという訳にもいかず、なかなか計画が立てられなかったのだ。それでも何とか少しでも先に進めようと、一泊で、行ける所まで進む計画を立ててみた。初日は森町から秋葉神社下社、2日目は出来れば水窪までなのだが、はたして何処まで行けるか?。行ける所まで行って飯田線で変える計画なのだが、果たして旨くいくかどうか?
東海道線、天浜線と乗り継いで森町に降り立つ。駅からスタート地点の元開橋まではタクシーを利用した。

         三倉川

         栄泉寺
さて、2年ぶりの塩の道街道ウォークだ。連休初日のこの日、歩くには最高の気候だ。まずは三倉川に沿って北に進む。三倉までは県道を6キロ程度歩けば1時間半ほどで到着しする。山に入り、途中の栄泉寺で一服して、ここから本格的な山道を登るのだが、あーー、息が切れる。
汗が噴き出してきた頃、上の林道に出た。ここからは等高線に沿った横なりの道になりようやく楽になる。高台にある集落に出ると、いろいろな案内看板が次から次へと出て来る。「戦国夢街道」となっているが、この半明という地区は徳川軍と武田軍の攻防の足跡が残る地なのだそうだ。家康が田口家の裏の森に隠れて命拾いしたことから半明(半命)の地名がついたという。この田口家の跡も説明付きで残されている。

        半明地区

        八幡神社
しかし、ここも静岡県なのか?と思うほどに遠くまで来てしまったような感じだ。静岡県も日本もまだまだ広ーーいのだ。
半明を過ぎたところ暫く行った所にある八幡神社で休憩しながら昼にする。この神社のとなりは廃校になった小学校跡のようで、校舎は解体されているが校門の石柱や二宮金次郎の像は残っていた。かつてはこの校庭で大勢の子供達が遊んでいたのだろうが、今は閑散として静かなものだ。ここから街道は西に向きを変え、平らな林道を進んで行くのだが、その途中には誰も住まなくなった廃屋が目立つ。人の気配の消え蔓が巻き付きた家は不気味でもあり、なんとも寂しいものだ。林道を暫く進むとガイドブックに書かれていた大日如来の石造があった。このすぐ先に右に下っていく山道があり、綺麗に管理された林の中をジズザグに下っていくと気田川に出た。
ここまで来れば今日の宿も近いので、宿に入る前に鮎の塩焼きでビールを呑もうと言う事になったのだが、探すとなかなかそれらしい店もない。地元の人に聞いてみると漁協でやっている店があるというのだが、しかしこれまたコースからかなり外れてしまう。それでも食べたい一心で必死に歩き、ようやくビールと鮎の塩焼きにあるつけた。

旨ーーーい!
良い気持ちになって少し歩けば今日の宿、秋葉神社下社の真ん前にある門前屋さんに到着。
今日は結構距離も歩いたと思ったのだが、後で調べてみたら20キロ程度しかなかった。
                  ▲ 2日目の最上段へ

2日目



       店の主人と

       三尺坊
昨夜は宿の主人も一緒になって結構呑んでしまった。お陰で朝はやや酒の残った状態で、これで秋葉山を越せるのか心配になる。店の主人も「尾山(秋葉神社)に登る人でこんなに呑む人は居ない」といわれたが、オイオイ、あんたも一緒になって呑んだじゃないか!
そんな主人に見送られて宿を出るとすぐに秋葉山への登りが始まる。やはり心配したとおり、酒の影響でキツイ!こんな事で1日持つのだろうかと心配にもなる。それでもヒーヒー言いながら1時間40分程で秋葉寺三尺坊に到着出来た。秋葉寺と秋葉神社は別物で神社の方はこの上にある。最初の計画では三尺坊の宿坊に泊まる予定だったのだが、連絡をとったら、今はやっていないのだとの事。ここに泊まっていたらもう少し酒の量も減って、今日のコンディションももう少し良かっただろうに!
ここで十分な休憩を取り先を急ぐ。今日、出来る事なら水窪まで進めたいのだが、同行の一人のペースが自分より遅く、どうやらこの調子ではとても水窪までは行けそうもない。秋葉神社は昨年も来ているのでそのまま境内をパス。正式な街道は秋葉スーパー林道にそって笹に覆われた中を行く。この笹も自分の身長よりも高く、おまけに雨がぱらつき濡れている。カッパを着るのも面倒だし、雨も本降りになる様子は無さそうなので濡れるにまかせ笹を掻き分け先に進む。暫く行った所からは秋葉山の西斜面を天竜川側に下り始め、1時間ほどで天竜川の東岸の、高台にある集落に出た。地図で見ると下平山となっている。ここからは同じような標高を保ち、遙か下に天竜川の流れを見ながら北に進む。
実は東海道ウォークからずっと使ってきたGARMINのハンディGPSがご臨終となり、今回は紙の地図とiPhoneのGPS頼み。ところが途中で自分の居場所がよく分からなくなり、iPhoneのGPSで確認しようにも山の中の地図は主要道路が描かれているだけで、山道など描かれていないために、全く役に立たない。地図という物は自分の居場所が分かった状態で役に立つものなのだと気がついた。自分のポジションをロストした時に地図は全く役に立たないのだ。



       西渡の大井橋
それでも、所々に現れる簡単な塩の道の標識に助けられ何とか先に進むが、暫く標識に出会えないとミスコースしているのかと心配になってくる。紙の地図の方も静岡新聞社で10年以上も前に出した本の中に掲載されていた物なので、情報が古く、山道は崩落しているし、沢に掛けられた橋も大雨で流されてしまっている始末。沢の流れに石を投げ込んで渡渉する場面もあった。おまけに熊出没の看板もあるし、塩の道ウォークも飯田に抜けるまでは単独での歩きは止めた方がいいだろう。
いくら等高線に沿った山道でも微妙なアップダウンは当然あるし、それがずっと続くと結構足腰に堪えてくる。時間を考えても水窪どころでは無く、だいたい自分がどの当たりに居るのかもよく分からないのだから、取りあえずは前に進しかない。しかし、どこかで天竜川沿いの国道に出るはずだ。
正規の塩の道(秋葉街道)は集落の個人の表の庭を通っている所も何カ所かあり、その度に家の人に恐縮してしまう。
山の中から突然、広い国道に出た。いったいどの辺りなのだろうかと、国道に出てようやく使えるようになったiPhoneで場所を確認してみると、ここから200m程北に歩けばナント水窪と佐久間の分岐点である西渡だ。うまい事にそこにはバス停がある。
運が良いのか、バスもうまい具合に入ってきて15分ほどで出発という。あーー、疲れた2日目だったが、ようやく帰る事が出来る。
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               歩行距離 約41Km